この記事では、中綴じとは何なのか、その用途、メリット、デメリット、中綴じ以外の製本方法にどのようなものがあるのかについて解説します。
Contents
中綴じとは
中綴じとは、複数の用紙を半分に二つ折りにして重ねて、中央の折り目をホッチキスのように針金で綴じる簡易な製本方法です。
中綴じの用途
中綴じは、ページ数が少なめでコストを抑えたい場合に用いられます。
- パンフレット
- カタログ
- フリーペーパー
- 会社案内
- 情報誌
- 週刊誌
など
中綴じの3つのメリット
中綴じ製本を選ぶ際のポイントとなるメリットを3つ解説します。
1. 低コストで製造できる
用紙を2つに折って針金で綴じるだけの簡易な製本方法なので、無線綴じに比べて工数が少なく低コストで製造できます。保存性よりも更新性を重視した印刷物に向いています。
2. ページがノドまでしっかり開く
中綴じはページをノド(本の綴じ側)までしっかり開くことができ、また開いた状態を維持しやすく、机の上などに置いて見やすいです。また、見開きを活かしたデザインが可能なのも大きな特徴です。
3. ページ数が少なくても製本可能
背に一定以上の厚みがないと糊付製本できない無線綴じに比べ、中綴じならば最低8ページの薄い冊子を作ることができます。
中綴じの4つのデメリット
中綴じ製本を選ぶ際に注意しなければならないデメリットを4つ解説します。
1. 強度にやや難がある
中綴じは低コストで製本できる利点もありますが、用紙を細い針金のみで固定するという構造上、無線綴じと比べて耐久性が低く、長期利用により、綴じ部分で用紙が破れたり、針金が緩んで抜けてしまうことがあります。ページ数が多いほど針金が緩みやすくなります。
2. 本の背がない
無線綴じのような背のある製本方法と違って、中綴じは背が作られない製本方法のため、本棚に収納した場合、何の冊子かわかりにくくなります。
3. 総ページ数が4の倍数に制限される
用紙を半分に二つ折りにして重ねるという構造により、用紙1枚4ページが最小単位となるため、総ページ数が4の倍数に制限されます。
仮に10ページで考えた場合、「用紙2枚(4ページ×2)」と「半分の用紙1枚(2ページ)」となりますが「半分の用紙」は針金で綴じることができません。ですので、始めから12ページでレイアウトを組むか、残りの2ページは白紙やメモ欄などで埋めるような調整をします。
4. 業界や施設によっては使えない場合がある
中綴じは針金が緩んで針が飛び出したり抜け落ちたりする可能性があり、怪我や異物混入の恐れがあるため、飲食、衣料、寝具などを扱う業界や、保育園、幼稚園、病院、介護施設などで使う印刷物は注意が必要です。
中綴じ以外の製本方法
中綴じ以外の製本方法について紹介します。
無線綴じ
無線綴じは、重ねた用紙の背側を接着剤で固めて表紙を包んで綴じる製本方法です。中綴じよりも耐久性が高くハイグレード、背を作ることができ、ページ数が多い場合や長期保存したい場合に用いられます。ただし、ページを大きく開くことができずノド方向は見づらくなるため余白を大きく取る必要があり、見開きを活かしたデザインには向きません。
折丁の背側を切り離さずに細かく切れ込みを入れて接着することで強度を高めた無線綴じを「網代(アジロ)綴じ」といいます。
ミシン綴じ
ミシン綴じは、接着剤や針金を使わず、糸でミシン掛けして綴じる製本方法です。アルバム、絵本、大学ノートなどでよく用いられます。中綴じと同じくページをノドまでしっかり開くことができ、同じく総ページ数は4の倍数に限られます。
スクラム製本
スクラム製本は、針金などで綴じずに半分に折った用紙を重ねて挟むだけの製本方法です。新聞、フリーペーパー、会報誌、広報誌などで用いられます。綴じないため、総ページ数は2の倍数で最低6ページから製本できます。
まとめ
今回は、中綴じとは何なのか、その用途、メリット、デメリット、中綴じ以外の製本方法にどのようなものがあるのかについて解説しました。メリット・デメリットを考慮し、目的や用途に応じて適切な製本方法を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
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