極まれに、重たいデータ(ファイル容量の大きいデータ)が入稿されて来ることがあるそうです。
また「入稿しようとしたけどデータが送れません!」なんて問い合わせがあり、確認したらファイルサイズが2GBもあったなんてことも・・・
データが重たいと保存に時間がかかったり、上記の様にデータが送れないなんてことになりかねません。
入稿の際、データが送れない場合はまず送ろうとしている入稿データのサイズを確認してみてください。
そんな重たいデータ。
一番多くみられる原因は画像絡みだそうです。
下記にデザイン時に気を付けた方が良い画像の扱い方をまとめてみました。
デザイン時に気を付けたい画像の扱い方
・必要以上に解像度の高い画像を使用しない
最近はデジタルカメラの技術が向上し、解像度の高い写真を撮ることができます。
「印刷用データの解像度」で触れましたが、印刷で必要とされる解像度は300ppi程度(印刷会社によっては350ppiや400ppiまで対応しているところもあります)です。
それよりも大きい解像度の画像を使用したところで印刷が綺麗になるわけではなく、むしろデータを重くする原因になります。
使用する画像は適切な解像度であるか確認を行いましょう。
・illustrator上で縮小しない
illustratorで画像を扱う際、よくやってしまいがちなのが配置してからのリサイズ。
見た目では分かりませんが、リサイズすると解像度が変化します。
例えば、350ppiの画像を50%に縮小すると画像は半分のサイズになりますが、解像度は2倍の700ppiになります。
※ただし解像度は単純計算ではないため厳密に倍々になるわけではありません
これによりillustrator上での処理に時間がかかったり保存が遅くなったりします。
縮小したのになぜ解像度が上がってしまうのか?
「縮小=凝縮」と考えると分かりやすいと思います。
”インチ”は長さの単位なので「1インチ=25.4ミリ」と決まっていますが、”ピクセル”は点を表す単位なので何ミリなのかは状況によって変化します。
つまり、画像サイズを50%に縮小するとピクセルのサイズも50%に縮小され、2倍の量のピクセルを1インチの中に”凝縮”する事になるのです。
ですから、あらかじめ使用する画像をPhotoshopなどでリサイズしてからillustratorで配置すると作業を効率的に行えるようになります。
・ラスタライズを活用する
上記でillustrator上でのリサイズの話をしましたが、やはり便利なので使ってしまいます。
そんな場合に「ラスタライズ」を使用することで画像サイズを減らすことができます。
ラスタライズとはベクターイメージをラスターイメージに変換し最適化する処理の事です。
このラスタライズをサイズの縮小を行った画像に対して行うことで画像が最適化されます。
ラスタライズは埋め込んだ画像オブジェクトを選択し、メニューの「オブジェクト」内にある「ラスタライズ」をクリックすることで実行できます。
- ※「特色を保持」のチェックは必ず外してください
- ※解像度が300ppi以上を必要とする場合は「その他」を選択することでppiを指定できます
ラスタライズは画像だけでなく、下記の様なパスが多く複雑なオブジェクトにも有効です。
パスが多過ぎる場合、ファイルがサイズが大きくなるだけでなく印刷時にエラーが起きてしまうこともある為、ラスタライズを施しましょう。
一部ではありますが、デザイン時に気を付けることで容量を減らすことのできるポイントを紹介しました。
これらのポイントに注意しながら制作して頂くと入稿時や印刷時のトラブルが少なくなります。